痛みのない雨

哀しいばかりの雨が降る

それは屋根へと窓へと打っては
耳に残らず子守唄
滅びへ誘う手毬唄
哀しいばかりの雨が降る

ただ雨を駆け抜けたい
風の速度とその色とりどりを
逃れるように雨を浴びては
それを感じて雨乞いをしたい

ただ雨を駆け抜けたい
火照るは虫が目覚める産声
従うままの本能を知れれば
偽りを捨て朝日に咲える

闇雲なままに梅雨と呼ぶ
それはむやみに指から流れ、夢をなくす
闇雲なままに夏と呼ぶ
それはむやみに色から離れ、音をなくす

屋根の下、偽りの快楽により酔えるのは
屋根の下、偽りの四季により酔わせる者は
悪魔の索引引くのに過ぎぬ
虚実の慰め、子守唄
虚実の信仰、手毬唄

幼き頃、自然は全てを教えて呉れていた
それから私が眺めてきたのは
都合ばかりの知識の恩恵
僅かな色彩を手がかりに
虚実の四季に酔いしれている

哀しいばかりの雨が降る
それは屋根へと窓へと打っては
耳に残らず子守唄
滅びへ誘う手毬唄
知識でしかない雨が降る

あの雨粒のひとつになれれば
あの雨粒のひとつに価値があろう
そうして旅の門に立つなら
言葉がどうして産まれたか
それを知るのに至れるだろう

この嘆きに宿っているのは
かすかな希望と心の進歩があるだけだ

音色は言葉の根源であり
ロマンは季節の恩恵であろう
悦楽による言葉のもじりは虚しいばかり

哀しいばかりの雨が降る
それは叱責するように
まるで拷問するように

それは屋根へと窓へと打っては
耳に残らず子守唄
滅びへ誘う手毬唄
哀しいばかりの雨が降る

旅へと誘う雨ならば
私は心の屋根を壊して
私は心の窓を壊して
生き物としての言葉を編みたい
その旅先で出逢えた言葉に
ロマンが宿ると気づけたのならば
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by ren_with_parfait | 2017-06-12 01:31 | | Comments(0)