迷う心

美学のすべてがこの手を離れ
何かがこの身に滑りこむ
一時美学のすべてを捨てて
あらゆるすべてと通じ合う気になる

美学のすべてがこの手を離れ
遠くの方からこの身に映る
一時美学のすべてを忘れ
あらゆるすべてを手にした気になる

その時
美学に忘れさられたことを恐れ
必死に取り戻そうとしても
身体と心は離れてしまい
これまであった現実の意味
その価値すらをも離れてしまう

そのまま
美学に忘れさられた時間を過ごし
必死に取り戻そうと願う
身体と心は離れてしまい
闇雲にあがくことの尊さも
その価値すらをも消えていくのに

また目覚めれば
少しずつ美学はこの手に戻り
これでいいのかと問いただす
私の祈りと裏腹に
美学は小さく息を失くして
また吹き返すを繰り返す

やがて歩きだし
少しずつ美学の意味を確かめ
努力があったと信じても
私の願いと裏腹に
美学は大きく呼吸を始めて
また微睡みへと堕ちていく

私は私を知りやしない
ましてや私の美学など
手に余すほどに大きくて
地に落とすほどに小さくて
背を向けたそれに声をかけ
振り向いたそれに笑うだけ

なんだか悲しくなったとき
アスファルト跳ねて踊るけど
なんだか悲しくなったとき
歯をくいしばらなければ死んでしまう

私の小さな何かを信じる
私が今も居てくれる
ただそれだけを頼りにしながら
汚れた地図で宝を探す
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by ren_with_parfait | 2017-07-09 19:39 | | Comments(0)