夢の跡

夢は砕けた
全て砕けて
部屋中に
その懐かしさが
立ち尽くす

描き続けて
白いノートに
脳いっぱい
やるせなさすら
抱きしめる

この半生
閉じる音する
ギィギィギィ

いつか眺た華
憧れた場所
ギィギィギィ

(人生の)
「お客さん、忘れ物です。
これならば、まだ間に合うかと、
思われます。今までを、
全て捨てゆく、ご決意ならば、
この夢だけは持っていきななさい」

車掌がくれた真っ白い切符
何が描いてあるか分からない

僕は駅降りあたり見渡す

駅の名前は……「夢の跡」
ここからあの世に行くでもないし
僕はどうしてみようと思う

無名の食事、
果たせなかった恋の本、
出来上がらなかったCDと、
色々手にとり歩いてく、

さてとここから、
どこへ行く、
バスに乗るにも金がない、
宿はしばらくあるという、

(人生の)
「未来のことは承知しません、
されと旦那が望むなら、
好きなだけここにお泊まりやんせ。
無論女も酒もなく、
新しい夢はありません。
呉々も言いますが、私ども、
未来のことは承知しません。ごゆるりと」

おかみはそう言い戸を閉める
しばらく空想浸るもよいか
書いた覚えもない日記
「開けば飛べる」と書いてある
夢の跡から夢の跡
叶わなかった夢ばかり
僕は車掌に貰った切符を持って
すぐに駅へと引き返す

やってやろうか、新たな人生
名誉のためでも己がためでも
ましてや女のためでもない
ただただ命の歓びを
探し求める旅ならば
命あることそのことだけを
歓び勇む人生ならば
全て棄ててもよいだろう

(人生の)
「終点までは行けません。
新たな気持ちになったなら、
そこまでの切符をご用意下さい。
ここの亡霊にならずに済んだ、
その回答をご用意下さい。
(切符をみて)はい、良いでしょう。
案外そこは、住めば都というものですよ」

だけど進めど目が眩む
あたりはくすんで白くなる
目眩が続いて耳が鳴る
ここから先は始めてだ
どこへ着くのか分からない
白紙の切符を手にもって
ハイスピードで進んでく
列車に揺られ着いたは人が
大勢暮らした見慣れた景色

(人生は)
「諦めるにはまだ早い。
悔いて嘆くもまだ早い。
夢破れたとの気持ちがあれば、
新たな夢も描けましょう。
ひとまずようく整理をつけて、
こと真剣に挑みなさい。
日時はちょうど晦日前。
片付けるにはちょうどよい。
されど急げよ急げば回れ、
生きているのが尊いのです。
行きなさい、神のみぞ知る行方でも、
清い心で始めなさい。またいずれ」

ギィギィギィと列車は去った
さぁこの夢の跡を整理しよう
必要なものを整理しよう
人の世に生く人であるなら
叶わぬことから産まねばならぬ
ここは夢の跡、宿はある
されども(人生の)未来ならば承知しません。
どうかごゆるりと、ごゆるりと

新たな歳はすぐそこです。

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by ren_with_parfait | 2017-12-28 14:51 | | Comments(0)